音声アシスタントのテクノロジー企業であるフランスのスタートアップ「snips」が、音声アシスタントSDKについてアナウンスをしました。まず最初に、ドイツのニュンベルグでスニップスパワーの音声アシスタントが搭載された車に関するユースケースを公表、そしてこういった独自の音声アシスタントをつけることが誰でも可能ということを実現したというのです。
大手とは競合しないsnipsのSDK
SnipsはアマゾンのAlexa Voice ServiceやGoogle Assistant SDKと技術的に競合しているわけではなく、設計も異なるようです。Snipsを使用すると、ローカル環境で音声アシスタントを構築できます。多くのハッカーがSDKを使って構築(遊ぶ)いますが、Snipsは最終的にAmazon AlexaやGoogle Assistantの代わりにSnipsを搭載したアシスタントを埋め込むべきだとメーカーに説得したい意向もあるようです。
ユーザーの音声録音や指示した言葉については、Snipsを通してクラウドに送信されることはなく、そこはプライバシーを尊重して保護するそうです。
snipsにしかないアドバンテージ
普及しているスマートスピーカーを構築したい場合は、たとえば、海外で運転している場合、車がインターネットに接続されていない環境もあるでしょう。その時に、snipsのアシスタントはRaspberry Pi3位の強力なARMチップ上で動作するので、動作も問題なく、音声で指示すれば反応するようです。
さらに、Snipsを使用すると、ナビゲーションシステムを起動してくれて、データを送信せずに、Snipsに格納されているデータから音声で目的地を設定することが可能です。ローカル環境でのAI音声アシスタントは実は需要のあるユースケースかもしれません。常時ネットに繋がってるわけではないからです。
インフォテイメント系にも好影響か?
今回の車にSnipsに搭載したデモでは、ETA(estimated time of arrival)=「到着予定時刻」を情報として提言してくれます。自動車メーカーもまた、一般的な「OK Google」といった単語の代わりに「OK! トヨタ」みたいなことと言うことができるように、単語をカスタマイズすることもできます。
それに加えて、Snipsは組み込み音声認識プラットフォームに新しい言語、英語、フランス語、ドイツ語で動作するスナップを使用したアシスタントを作成できるようになりました。これによって、インフォテインメント系(Information」+Entertainment)を意味する自動車業界の造語で、情報表示と娯楽=運転中のカーラジオやカーナビなどのシステム及びその業界を指す企業やサービスに対しても、この単語のカスタマイズは嬉しいことかもしれません。
参照:techcrunch