2018年に入り、音声およびスマートスピーカーが世の中で喧伝されていますが、消費者の動きとともに、ユーザーにアプローチしてマーケティングを行うCMOの方々も、この音声のトレンドに乗り遅れてはいけません。今回は、CMOが音声技術に注目すべき4つの理由をご紹介します。
1) スマートスピーカーがスマホを凌ぐから
現在スマホの普及率は圧倒的と言えますが、すでに時代は各自がスマホにて入力する行動から、音声で語りかけて、情報を集めたり聞いたりする動きに変わっています。その行動の動きを作り出したヒット商品が「スマートスピーカー」です。元は米Amazon社が、主婦が家にいながらスピーカーに語りかけて音楽を聴いたりラジオを聴いたり、ニュースを流したり。あとはメモやリマインド機能、そして最たるビジネスモデルは、消費者が購入する商品を自ら探すことなく、AIに任せてそれをAmazonのサイトから予算にあった商品を自動で買わせて届けるところまで、全てやろうとしたい彼らの意向から始まった野心的なプロジェクトですが、これがいよいよ実現しそうだからです。
音声アシスタントの技術を含めたテクノロジーの進化は凄まじいものです。音声認識も、同じ波長の声を見極めることができなかったものが、今では精密な見分けができるようになりはじめ、各個人の声をしっかり聞き取り、判断できるようになっています。アメリカ国内では、スマートスピーカーが2016-2017年の2年間でおよそ20%近くもアップしたというデータもあり、今後の市場の高まりも見逃せないでしょう。
2) スクリーンレスのインタラクションが増加する
今皆さんはスマホをみてることでしょう。しかし、今後は一点のスクリーンを覗くことなく、
1995年に、ブラジルの評論家Jose Saramagoが出版した書籍「Blindness (Ensaio sobre a cegueira)」によると、ある日突然、大量に失明した人々が世に溢れるという設定で、失明の流行に苦しむ社会のなかで、何が起こるかを仮説を立てて調査しています。そうなった場合、人々はスマートなスピーカー、ウェアラブル、および他のIoTスクリーンレスデバイスを介して、他人や企業などとやりとりすることになる。これはフィヨルドのアンディ・グッドマンが提唱している「ゼロUI」と呼ぶ世界です。
ゼロUIは、技術の進歩だけでなく、人口動態や規制の変化によっても促進されます。例えば高齢者にとってスクリーン、キーボードタッチが難しいのは明白で、そこで登場するのはゼロUIによるアプリの登場です。障害者法(ADA)は、視界の悪い人(スクリーンを読むことができない人)やモビリティの悪い人(キーボードを使用できない人)は、音声ベースのスクリーンレス上でやりとりできます。また、スクリーニングされたインタラクションが理想的でないとき(運転、料理、運動など)に顧客と交流する能力も拡張します。
マーケティング予算内では今の時点では、ロゴ、看板、パンフレット、ウェブページなど、マーケティングに何百万ドルも費やしていますが、これからは視覚ではなく耳の市場を開拓が必要です。
音声とサウンドは、興味深いブランドの機会を表しています。サウンドは最も簡単に覚えることができますが、最大の感情的な影響を与えます。ブラウン大学の聴覚神経科学者であるSeth Horowitzの著書「The Universal Sense」では、人間が動作するためにおいて、感情の最も重要で効果的なドライバーは音および聴覚としています。例えば、蜂の群れの音がすぐに危険感を引き起こします。他の感覚は、音の感情的なパワーと一致しません。
3) 音声ファーストの時代におけるデータ分析
多くの組織がスマホの登場に対して「最初にモバイル」という対応をしたように、音声は新しいデザインパラダイム「音声で先」を生み出します。膨大なデータから最適な情報を提案する最、音声アシスタントは、ユーザのニーズを予測し、文脈情報に基づいて1つまたは2つの選択肢を提供する必要があります。
現在のビジュアルデザインの世界では、顧客の選択肢を絞り込み、ウェブサイト上の行動を促す言葉(CTA)に誘導しようとしています。
しかし、適切なCTAを表示できない場合は、ユーザーがわざわざ探す、あるいは別の方策「視覚的要素」に頼らざるを得ず、機会損失の可能性があります。仮に商品に興味なければ、顧客が会話を続ける可能性はほとんどありません。
音声ファーストデザインでは、アナリティクス、ビッグデータ、およびAIで行った投資をテストに組み込み、音声による誘導や提案においてテストが可能になります。適切な行動を促すために、彼らのニーズを予測し、適時に適切な価格で適切な提案ができるかどうかがミソです。
また、音声ファーストデザインは声だけではなく、お客様のニーズを最小限のエラー率で予測できるAIプラットフォームを構築することができれば、素晴らしい音声体験を作り出すだけでなく、Webサイトやモバイルの視覚的エクスペリエンスも劇的に向上します。
4) 会話型コマースの伸長
音声アシスタントは個人的な買い物客の役割を果たすこともできます。音声ショッピングが可能なアプリのユーザの11.5%はすでに音声で毎月1回以上の購入をしています。
お花のオンラインショップサイト「1-800-FLOWERS.COM」のインタビューでは、CEO Chris McCannは小売りで消費者が買い物する方法として “第5の波”として音声アシスタントに注目しています。「AlexaやGoogle Assistantのような会話型商取引機能は、今後18〜24ヶ月間、当社ブランドの主要なエントリーポイントとなる」と考えているようです。
音声アシスタントは、「発注プロセスにおける摩擦=悩んだりするコスト」を除去することにより、顧客に驚異的な利便性を提供します。
“Alexa、order ground coffee”と頼めば、2時間後にあなたのドアにコーヒーが届けられます。
スターバックス、なのかベローチェなのか、どこのコーヒーかは不明ですが、製品の検討ステップとロイヤルティステップで顧客の意思決定を除去します。音声アシスタントは、最初の意思決定前の検討段階で処方エージェントになる予定です。
次のような対話を想像してみてください。
ユーザー: “ねえ〇〇、挽いたコーヒー”
アシスタント:「どのブランドが好きですか?Peets?それともFolgers?
あなたのブランドが、この2つの選択肢の1つでない場合はどうなりますか?もちろん、ユーザーはアシスタントとの会話を継続して、彼らが望むコーヒーを注文するようにすることができます。しかし、アシスタントを管理するAmazonやGoogleのような企業は、データに合わせてレコメンドしてくる、最初のオプションを提示するという点で莫大な力を身につけることになります。
あなたが製品に満足している限り、音声アシスタントは代替手段を検討する機会をなくし、最初に注文したコーヒーを届け続けます。顧客は、新しいパッケージングがあるポップ広告のブランドを試すような、スーパーマーケットの通路を閲覧することはもうなくなるでしょう。
顧客がスマートなスピーカーを通じて購入することにますます慣れてきている現在、再注文プロセスの課題を取り除いて、あなただけの好きな商品・ブランドを確保して注文し続けます。
目に見えないため、最終判断は「味」と「質」と「カスタマーサポート」=顧客満足度が最重要指標となることでしょう。
それはまたいい世界観だと思いませんか?
参照:voicebot.ai